2005年11月04日

別れ

おじいちゃんがとうとうあの世に逝った。
眠るように亡くなったそうで、とても綺麗な死顔だった。

おじいちゃんが焼かれた日は、晴天にも関わらず、
秋空に鮮明に見えるはずの富士山が霞掛かって見えなかった。
前日はあんなに綺麗に姿を現していたのに。
そういえば、昔の人は、太陽が雲で隠れる様を人の死になぞらえていたのだっけ。


おばあちゃんが死んでから、まさに20年ぶりの親族の葬儀だった。
そして、初めての火葬。
正確には、愛犬の火葬に次いで2度目の経験だ。
この犬の火葬が我が家ではちょっとしたトラウマになっていた。
焼き場で坊主が棺から犬の首根っこを掴み、熱々の網の上に乗せやがったのだ。
その時、「ジュッ」って音がしたからね。
おかげで我が家はそれ以来、二度と犬を飼うことをやめたのだった。

犬とおじいちゃんは違うけど、やっぱりおじいちゃんが焼かれてしまうのは耐えられなかった。
母が「お父さんを焼かないで・・・」と泣いているのを見たら、
いたたまれなかった。
いつもは老けたおばはんとしか思えない母が、私よりもずっと幼い少女に見えた。

でも、おじいちゃんはようやくおばあちゃんの元に行くことができて
本当に良かったのだと思う。
生前、遺影にするために自分で撮りに行ったという写真の中のおじいちゃんは、優しく笑っていた。
それはまるで、天国に行くのが楽しみで仕方ないような顔だった。
posted by 毬藻 at 21:45| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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